ペイドメディア・オウンドメディア・アーンドメディアの連携

インターネット上のサイトや各種サービスが多様になり、マーケティングの観点からは以下のような3つの分類がされています。

ペイドメディア

YAHOOプロモーション広告やフェイスブック広告のような有料ネット広告サービスに広告料を支払い(Paid)、集客を実現するサイトのことです。ランディングページがこれにあたります。

アーンドメディア

SNSを利用して、口コミ情報を拡散し信頼を獲得するものです。フェイスブック、ツイッター、インスタグラム、ラインなどのサービスがこれにあたります。

オウンドメディア

自社で所有するサイトやブログであり、客観的な技術情報や商品・サービスの使用法などの閲覧者にとって有益な情報を継続的に提供し、そうしたコンテンツの蓄積によって検索エンジンから自然流入を増やしていく手法です。コンテンツ投稿の継続性と量がポイントとなり、投稿の容易さや検索エンジンとの親和性を考慮して、ワードプレスを使用しブログとして運営することが多くなっています。オウンドメディアに集客した見込客をメルマガやフェイスブックのグループに登録することを促し、ファンとして定着させる形が模範例となります。

電子商取引市場は成長を続けており、それに連動して商用サイトの数も膨大となっています。その一方でスマートフォンも含めたネット利用者数は頭打ちになり、今後も国内人口減少などの要因を考慮すると減少することはあっても増加する見込みはありません。

そうすると人気のあるサイトには閲覧者が集まるのですが、それ以外の多数のサイトには全く人が訪れないというサイト間格差が実際に起きています。

つまりインターネットで集客をするというのは、とても激烈な競争を突破するか、競争の少ない隙間(ニッチ)を狙うしかなく、どちらの方法も相当に厳しいものです。

そのような過酷な競争環境の中では、1つの成功パターンだけではいずれ埋没してしまうリスクを抱えます。3つのメディアのうち1つだけ成功すればよいというものではなく、3つとも展開し相乗効果を高めていくという戦略が不可欠になります。

また、メディアの特性としてアーンドメディアやオウンドメディアは自然なアクセスを集めやすいものの購買行動につなげるのが難しい面があります。その反対にペイドメディアは購買行動につなげやすいのですが、自然検索を呼び込むのは難しい面があります。

そうした特徴を相互に補完し、アーンドメディアやオウンドメディアで自然検索のアクセスを呼び込み、それをメルマガ等を併用しファンとして定着させ、ペイドメディアにアクセスを誘導して購買行動につなげるという流れをつくるのが有効な対策となります。

これら3つのメディアを早期に完備できればよいのですが、短期間で構築できるものもあれば1年単位で時間のかかるものもあります。また、構築してから効果が出るまでの時間(リードタイム)もメディアの特性によって異なります。

着手する順番を間違えると、苦労ばかりが続いて全く受注を得ることができず、嫌気がさしてネット集客を諦めてしまう事態になりかねません。やはり構築にかける手間と費用に応じて効果を実感できなければ、サイト運営を続けられるものではありません。

そこでこれらのメディアを構築する順番を4つの段階に分けて解説します。

第1段階 ペイドメディア

真っ先に取り組む課題はランディングページの制作と有料ネット広告によるアクセス誘引です。販売する商品・サービスがネット上での競合が少なく魅力的なものなら、有料ネット広告を導入した初日からランディングページ経由での受注も可能です。

ただし、有料ネット広告の出稿料は入札制になっているので、競合の多い分野の商品・サービスの場合は広告費用が高騰し、1つのアクセスを誘引するためのキーワード単価が数千円にもなってしまうこともあります。(1件の受注では無く、1件のアクセスあたりの単価ですから1日で数十万円もの広告経費になってしまいます。それに見合った受注件数と利益が得られるかという検討も必要です。)

ネット広告は一日の予算上限を定めて利用することができるので、キーワード単価とアクセス数を観察しながら広告経費のコントロールをしていく必要があります。

ランディングページは広告費の投入を止めるとアクセスが途絶えて売上も止まってしまいます。広告費は時間の経過と共に高騰していくので、ランディングページのみに頼った集客はリスクが高く、オウンドメディアとアーンドメディアとの併用をしないと集客が安定しません。

第2段階 オウンドメディア

ワードプレスを利用してブログを開始し、商品・サービスに関する技術情報や自社の取り組みなどを記事として投稿を継続します。記事投稿は週に2記事以上は実施するべきです。ブログ開始直後は検索エンジンのかなり下位にしか掲載されないので、ほとんどアクセスはありません。恐らく半年程度はアクセス数が1日で1桁という状況が続きます。それに挫折すること無く記事投稿を継続して1年くらいすると1日に100ページビュー(PV)くらいには達するようになります。まずは1日に100PVに到達することを目標にします。

オウンドメディアで自然検索流入を得るには、ロングテールの記事が多量に必要になります。その記事が蓄積するにはやはり1年くらいはかかるものです。そのため即効性は期待できず、粘り強く記事を投稿していく根気が必要です。オウンドメディアの開始からしばらくは、オウンドメディアからの集客は困難ですから、先に制作したランディングページと有料ネット広告の調整で売上をつくり、広告費に余裕があればオウンドメディアにも有料ネット広告からアクセスを誘引してブログの固定ファンを得るように取り組みます。

第3段階 アーンドメディア

フェイスブックやツイッターなどのSNSは、リアルの知り合いと既存顧客とのつながりを深めるツールです。そのためSNSでは新規客を増やすのは困難です。また、SNSでセールス活動を熱心に行うのは敬遠され、知人や顧客が離れていってしまうリスクが高まります。SNSは季節の話題や行事の告知を中心にして、既存客とのつながりを維持することを主眼にするのがよいでしょう。

SNSを通じてつながった既存顧客をオウンドメディアに誘導し、オウンドメディアの口コミ評価を高めるためのツールとして位置づけるのが適切です。

第4段階 顧客の囲い込み

オウンドメディア、アーンドメディアでPVが増加し、そこからランディングページへの誘導をすることで売上は加速するようになります。

この段階になればランディングページの顧客リストやオウンドメディアの固定ファンに対してメルマガやSNSの登録を促し、メルマガやSNSからの営業の告知ができるようにします。このメルマガやSNSアカウントのリストが増えれば、基本的に自社のファン層になるので営業告知への反応も高くなるようになります。顧客にとって有益な情報を提供し、自社商品・サービスの購入もしてもらうという関係性を築くことができれば、売上も継続的に安定化します。

以上のように第1段階から第4段階まで順を追ってウェブサイトやブログ等を増やしていくことで、インターネット上に自社商品・サービスの露出が高まり、売上も増加するようになります。

訴求力の高いランディングページを作り、予算を定めた有料ネット広告の活用でアクセス誘引を図ることが第1歩となります。そして、自社商品・サービスに関連する有益な情報を継続的に提供するブログ(オウンドメディア)の構築に着手し、1年単位の長期計画で記事追加をしていくわけですが、この段階が効果が現れるのに時間がかかるため苦しいところです。同時にSNSにもアフターフォローなどの顧客サービスの内容を投稿し続け、オウンドメディアやランディングページに誘導を図ります。

こうした過程で注文があった顧客や問合せがあった見込客にメルマガやSNSへの登録を促し、定期的に情報提供を継続すると口コミの拡散やリピート注文などで売上が安定するようになります。

こうしたサイクルを地道に作り上げていく戦略と根気が必要です。

スポンサーリンク
広告(PC)
広告(PC)

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする

下記は当サイト運営者が執筆したマニュアルやコンサルティングの案内ページです。
ネット副業と起業マニュアル サイト運営のコンサルティング

スポンサーリンク
広告(PC)