取り扱いする商材やサービスを売るためのセールス情報を集約したウェブページのことをランディングページと呼びます。
商用サイト(ブログも含む)では受注を得るのがゴールですから、そのゴールを決める最も重要な役割を担うのがランディングページです。
サイト運営者としては、検索エンジンからランディングページにガンガンとアクセスを集めたいわけですが、これがなかなか思うようにいかないのが現実です。
なぜなら検索エンジンの支配者であるグーグルがセールスページを嫌うからです。
(ヤフージャパンも検索エンジン機能はグーグルのものを使用しているため、同様にヤフー検索もセールス情報を嫌います。)
こうなるとランディングページとグーグルの相性は最悪だという現実を受け入れて行動するしかありません。
どうしてそのようなことになるかと言えば、グーグルは客観性が高く検索者が知りたいと考える情報を上位に位置づけようとします。
ランディングページの情報というのは、個別の販売者が売りたいという主観に基づいてセールストークを展開するものですから、グーグルの基準から見たら優先度は低いページということになってしまうのです。
例えば、工務店の「外断熱工法」というキーワードでは、検索結果のトップはウィキペディアになっていて、上位は「外断熱工法」の技術解説をする大手工務店によるページが連なっています。
そのために「外断熱工法」というキーワードで住宅建築の注文を得たい中小工務店のランディングページは下位に追いやられてアクセスを集めることができません。
それなら中小工務店も「外断熱工法」の技術解説に特化したページを作れば、上位にランクインしアクセス増加となる可能性はありますが、セールス情報が希薄になるので、そのページ内での受注率は低下します。
ペンギンアップデート以前であれば、ランディングページに外部リンクを集中させて上位表示させる手法が有効でしたが、現在はこの手法にはペナルティが課せられて大幅順位下落の原因になってしまうので、ランディングページを上位表示させることが困難になってきました。
この傾向は今後も続くでしょうから、今は上位表示できているランディングページも徐々に順位低下していく宿命です。
そうなるとランディングページにダイレクトに集客をするにはYahooプロモーション広告などの有料ネット広告を利用するしかありません。
ただし、そればかりに依存するとネット広告費は高騰を続けているので、いずれ採算が合わなくなってしまいます。
そこで、ランディングページの他に自社商品に関する客観的な情報を提供するサイトを構築し、そのサイトの情報量を充実させて検索エンジンからのアクセスを呼び込み、そのサイトにランディングページへのバナーリンクを貼って誘導するという回りくどい手法が必要になってくるわけです。
販売情報を抑制し、客観的な技術情報や使用者の口コミ情報のページを量産することでロングテールのアクセスを拾って、サイト全体のページビューを上げていくわけです。
(ただし、口コミの内容を恣意的なものにすると景品表示法の不当表示と判断されるリスクがあるため、抑制的な表現に留める必要があります)。
客観情報を主体にすれば、ソーシャルメディアからのシェアも受けやすくなります。
これは時間も手間もかかる手法ですが、このような客観性の高いサイトを作り上げれば検索エンジンの評価も高まり、良質なアクセスを呼び込むことが可能です。
その中で熱心に読み込んでくれる層にランディングページをアピールするという設計になります。
こうした手法はコンテンツSEOやオウンドメディア構築といわれて注目されていますが、基本は10年前からも言われてきたものです。
そのようなオウンドメディア構築を目指すのはネット通販の王道ですが、相当の覚悟と継続性が求められます。
すぐに結果を出すためには有料ネット広告を利用してランディングページに誘引することですが、それは競合乱立になれば行き詰まることは自明です。
そこで、ランディングページとネット広告、オウンドメディア構築の両方を並行しメンテナンスしていく戦略が求められるのです。